“自 由” (あおばタイムズ 58)
私がカウンセリングの仕事をしていることから、「きっと先生には私のような悩みなどないだろう…」と考える方も多いようです。しかし私に言わせれば、悩みのない人間にカウンセリングなどできるはずもなく、またその逆に、同じことで悩み続けてばかりいる人間にもカウンセリングをすることはできないだろう~という結論に達します。私の考えでは、悩みがあることは悪いことではなく、それが少しずつかたちを変えてゆくことこそ重要だと思うのです。
私たちが「自由になれない」、「思いどおりにならない」…と、ため息をつく時。多くの場合それは、自分が置かれている環境や周囲の人間といった、自分以外の何ものかが原因だと考えがちです。ところが、生き生きと輝いている人たちの生き方に目を向けますと、彼らは自分が置かれている状況を、決して環境や他人だけのせいにしてはいないことに気がつきます。たとえば桑田真澄選手や松井秀喜選手といった、長年プロとして活躍を続けている野球選手の言動に目を向けてみましょう。たとえ私たち他の人間から見れば不運なアクシデントと思えるような場面で大ケガを負ったとしても、彼らはそのことで決して腐ることなく、あくまでそれを自分にとっての前向きな出来事・新たな成長の機会ととらえ、さらに新たな次の段階へとステップアップしようとしています。どんな芸術家や実業家、スポーツ選手であっても、長年にわたり注目されつづけている人たちというのは、よくよく見ていると常に変化し、成長をつづけていることがわかります。そしてそれは、決して外から与えられたものではなく、常に彼ら自身の選択によってそうしているのです。
よく、「これは私の『性格』なのでずっと変わりません。」と言う方がいらっしゃるのですが、その方は「私の性格は『変わらない』。」という選択をしているにすぎないのです。私たちが“性格”と呼んでいる何ものかが変わるのか変わらないのか…、ほんとうのところは私自身もよくわからないのですが、確実に言えることは、「性格は変わらない」と思っている人にとって「性格」は変えることができないものであり、「性格は変わるものである」と信じている人にとって『性格』は変えることができる―という事実です。
まったく、私たちが日頃なにげなく使っている言葉ほどこわいものはありません。…しかし言葉はこわいものであると同時に、うまく使うことができれば私たちの夢を実現してくれる“魔法の杖”にもなりうるのです。~私たちが自由になるためには・・・まずは状況や環境を変えようとするより先に、自分で自分自身を縛っていたことに気づかなくてはなりません。
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