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“I am OK, you are OK.” (あおばタイムズ 48)

 新庄剛志選手が今季限りで引退することを発表していましたが、その北海道日本ハムファイターズが二十五年ぶりにパ・リーグを制覇しました。子供の頃から王監督のファンで九州出身の私はソフトバンクホークスを応援していたのですが、新庄選手の顔を思い浮かべると、「これでいいのだ」と不思議に納得できてしまいます。
 派手なパフォーマンスが注目されることの多い新庄選手ですが、他の選手が同じことをやってもこれだけの支持を集めることはできなかったでしょう。新庄選手の魅力は、いつものあの白い歯の見える屈託のない笑顔に表れています。それは「みんなをもっと楽しませたい。自分も心の底から楽しみたい!」と言っているかのようです。
 私達はよく「家族を幸せにするためには自分が我慢しなければいけない」といった考え方をしてしまいます。まるで自分と周りの人間がシーソーの両端に乗っていて、どちらかが下がらないともう一方は上がれない…みたいに。けれども、両方一緒に上がる方法はないものでしょうか?―それを実践しているのが、新庄剛志という人のように思えます。若手選手に一緒にゴレンジャーのお面を被るパフォーマンスをさせ、その選手は肝心の野球でも活躍するようになりました。新庄選手の「自分も楽しむ。みんなも楽しもうぜ!」という意識が、チームの他の選手達に、そしてファン全体へと波及したかのようです。
 そんな新庄選手が引退を決意したのは、自分がどこまでやれるかをよく知っていたからだと言います。野球生活を全うした新庄さんが、これから何をやって行くのかに注目したいと思います。

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“かもめ食堂” (あおばタイムズ 47)

 『かもめ食堂』という映画を見ました。見終わった後に気持ちがほっこりと温まる、私たちを目まぐるしい日常から引き離させてくれるような映画です。森と湖・ムーミンでも知られるフィンランドのゆるやかな時の流れの中で、人の生き方についても考えさせられました。
 フィンランドにある「かもめ食堂」の主人、小林聡美さん演じるサチエは自分の信じる生き方の軸が“ぶれない”人。けれど、そこに柔軟性を失ってしまうような硬さや他人を拒絶する頑迷さはありません。周囲の人々を受け入れつつ、それでも自分自身が大切にしているもの・なすべきことは疎かにしない。たとえお客が一人も来なくても、真っ白な大きいふきんでお店のテーブルや食器を拭き続け、いつでもお客さんを迎え入れる準備をしていました。そんな日々は、まるで自分自身と静かに対話しているようにも見えます。
 この映画に悪い人は一人も出てきません。あるフィンランド人の身の上話を聞いた日本女性がこう言います。―「人にはそれぞれ、事情があるのねぇ…」。かもめ食堂は、それぞれの人生模様を抱えた人々を温かく迎え入れてくれます。主人公のサチエがそんなお客さん達にかける“いらっしゃい!”の声。それは自分の生きる道を信じている人だからこそもっている、凛とした優しさに満ち溢れているのです。

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