“殻を破る” (あおばタイムズ 45)
最近は高校生の方や二十代の方もよくカウンセリングにみえるのですが、お話ししてみると皆さん意外としっかりしています。「悩みがあってもしっかりしている」のか、「しっかりしているから悩みがある」のか…。バスや電車で小学生の会話が耳に入ると、大人のような話しぶりに驚くことさえあります。「世の中なんてこんなものよね」と話しているのが聞こえてきます。(~可愛くないなぁ!?)
皆さん総じて、「自分はこういう人間なんだ」という結論を下してしまう時期が早過ぎるような印象を受けます。
自分がどういう人間なのか知ることを「アイデンティティーの確立」と呼びますが、それを先延ばしにしている時期を「心理的モラトリアム」と言います。生まれた時から親の仕事を継ぐことが決まっているといったケースが少なくなり、職業や趣味の選択の幅が広がった時代には“モラトリアム”の期間は長くなってもおかしくないと思います。現代では『四十にして惑う』のも無理はないのです。
ところが早い時期から「自分はこういう人間なんだ」と決めつけてしまうことは、安心できる反面、自分を安全な殻の中に閉じこめてしまうようなものです。恐れや不安を感じないでいられるというのは、じつは面白くない(=刺激のない)状況に甘んじているということでもあります。
強い人間というのは固い殻に守られている人間ではなく、何度も自分と闘って殻を打ち破ってきた人なのかもしれません。そんな人はきっと、さなぎから蝶になってどこへでも飛んで行けるのでしょう。
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