“できること、できないこと” (あおばタイムズ 42)
「自分でもどうしていいのか、分からなくなってしまいました」と、カウンセリングルームを訪れる方が多くいらっしゃいます。
仕事のこと、家族のこと、それに自分のこと。考えているうちに何本もの糸がからみ合いこんがらがって、どこからどのようにほどいていったらいいのか分からなくなってしまったようです。
「考えすぎなのは分かっているのですが…」と言われる方もいます。考えるのは決して悪いことではないのですが、自分を前へと進めてくれる考え方と、かえって身動きがとれなくなってしまうような考え方の両方があるのではないでしょうか。
大リーグ・ヤンキースの松井秀喜選手が五月の試合中に左手首を骨折してしまいました。全治三ヶ月の重傷で、彼にとっては生まれて初めての骨折でした。まだシーズン前半なだけにさぞ落ち込んでいるのでは?と心配しましたが、松井選手は冷静で前向きでした。「起こってしまったことは仕方ない。…骨は急に付くものではない。やれる範囲のことを積み重ねていく。―」とのコメントを聞き、安心しました。
私たちには、“できることと、できないこと”があります。
たとえば「自分の顔が気に入らない」という方がいるかもしれません。自分で目や鼻の形や大きさ・配置を変えることはできませんが、顔つきを生かしたメイクの仕方を研究することはできます。また素敵だと思える人の表情を意識してマネするよう心がけていれば、表情筋にクセがついて少しずつ素敵な表情へと変化することも可能でしょう。
松井選手のように、自分の力でどうにもならないことはすっぱりとあきらめ、今の自分にできることを着実に行う。その積み重ねが、最後には現実を望むかたちへと近づけてくれると思います。
もつれてしまった糸を解きほぐし、いま何ができるのかを考えるためのお手伝い―それができたらと思っています。
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