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“睡眠薬は怖くない!” (あおばタイムズ 40)

 「睡眠薬」という言葉が暗くて謎めいたイメージを連想させてしまうのか、なかには服用するのに抵抗をもたれる方も多いようです。それに比べ「安定剤」の方が、まだ受けられやすいように感じます。ところが、これら二種類の薬は双子の兄弟のような関係にあるのです。
 現在使われている「安定剤」(正確には「抗不安薬」といいます)の多くは“ベンゾジアゼピン系”という一定の構造と働きをもつ薬の仲間ですが、同じベンゾジアゼピン系の中でも眠気を生じる作用が強く睡眠をとるのに適した薬を「睡眠薬」と呼んでいます。「抗不安薬」には脳が興奮し過ぎるのを抑え緊張を軽くしたり気持ちを落ち着かせる作用があり、不安感やいわゆるパニック状態などにも効果があるのですが、「睡眠薬」には寝つきを良くしたり夜中に目覚めてしまうのを防ぐなど、深くて質の良い睡眠へと導いてくれる効果があるのです。
 『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』という新書が評判でテレビにも登場した脳の働きに詳しい黒川伊保子さんが最近、『「しあわせ脳」に育てよう!』という本を発表されました。私がここで内容をお話しするより、「子育てに関係のある方もない方も、ぜひ読んでみてください!」と強くお勧めしたいのですが、要は子供たちの幼い頃から様々なお稽古事などをさせる「教育」よりも、まずは生物としての脳や体が十分に機能を発揮できるよう成長させる“気配り”をすることこそ親のつとめである…といった、私の考えるカウンセリングのあり方からもおおいに共感できる内容が数多く含まれています。なかでも『睡眠』がいかに大切かについて、これほど見事に著された本はないかもしれません。
 そこでズバリ一言。“睡眠薬は怖くない!”のです。不眠や心労が重なり「うつ」になる寸前だった多くの方々が、睡眠薬を使って良く眠ることで救われています。24時間営業のコンビニや深夜のカラオケが当たり前の今こそ、睡眠の大切さを見直す時期ではないでしょうか。

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“抗うつ薬の注意点” (あおばタイムズ 39)

 「抗うつ薬を長いこと飲み続けているのに、うつの症状がいっこうに良くなりません」-そう言って私のカウンセリングルームへ相談にみえる方が後を絶ちません。そこで今回は、抗うつ薬治療の注意点についてご紹介したいと思います。
①抗うつ薬を飲み始めてから「余計にだるくなった」あるいは「日中も眠くてしょうがない」という方がいらっしゃいます。うつの多くはストレスや働き過ぎ・不眠などによる脳や神経の疲労が原因であることから、治療の初期には薬が心身を休息させる方向で働きます。そのため一~二ヶ月前後の期間はだるさや眠気が続くことも多いのですが、それはむしろその後の改善が期待できる状態なのです。
②抗うつ薬の効果が自覚されるまでには早くても一ヶ月前後、長い方ですと三ヶ月以上かかる場合があります。抗うつ薬は安定剤(抗不安薬)や睡眠薬とはちがって飲んだらすぐに効果が現れるというものではありませんから、病院の先生とも相談しながら長期間服用を続けることで効果が実感されるようになる場合も多いのです。
③薬をやめる際にも、症状が良くなったからといって急に中止してしまうのは危険です。私の患者さんの中にも、自己判断で薬をやめてしまってから一ヶ月ほどしてうつの症状が再発し、当初の見込みよりも長期間服薬しなければならなくなった方がいます。抗うつ薬の増量・減量および中止の際は、必ず医師の指示を仰ぐようにしましょう。
④人間の心の力はとても強いので、たとえ状態に合った薬を飲んでいても、飲んでいる方自身の不安が強すぎると効果が現れにくい場合があります。薬に関する疑問は医師に対して積極的に質問し、安心して服用を続けることこそ回復への早道だと思います。

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