“抗うつ薬の注意点” (あおばタイムズ 39)
「抗うつ薬を長いこと飲み続けているのに、うつの症状がいっこうに良くなりません」-そう言って私のカウンセリングルームへ相談にみえる方が後を絶ちません。そこで今回は、抗うつ薬治療の注意点についてご紹介したいと思います。
①抗うつ薬を飲み始めてから「余計にだるくなった」あるいは「日中も眠くてしょうがない」という方がいらっしゃいます。うつの多くはストレスや働き過ぎ・不眠などによる脳や神経の疲労が原因であることから、治療の初期には薬が心身を休息させる方向で働きます。そのため一~二ヶ月前後の期間はだるさや眠気が続くことも多いのですが、それはむしろその後の改善が期待できる状態なのです。
②抗うつ薬の効果が自覚されるまでには早くても一ヶ月前後、長い方ですと三ヶ月以上かかる場合があります。抗うつ薬は安定剤(抗不安薬)や睡眠薬とはちがって飲んだらすぐに効果が現れるというものではありませんから、病院の先生とも相談しながら長期間服用を続けることで効果が実感されるようになる場合も多いのです。
③薬をやめる際にも、症状が良くなったからといって急に中止してしまうのは危険です。私の患者さんの中にも、自己判断で薬をやめてしまってから一ヶ月ほどしてうつの症状が再発し、当初の見込みよりも長期間服薬しなければならなくなった方がいます。抗うつ薬の増量・減量および中止の際は、必ず医師の指示を仰ぐようにしましょう。
④人間の心の力はとても強いので、たとえ状態に合った薬を飲んでいても、飲んでいる方自身の不安が強すぎると効果が現れにくい場合があります。薬に関する疑問は医師に対して積極的に質問し、安心して服用を続けることこそ回復への早道だと思います。
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