「うつ」のココロ
みなさんは「うつ」になったことがありますか?
「うつ」になったことがあります。…そう自信をもって答えられる方は少ないかもしれませんが、「うつ」に近い状態になったことがあるような気がする。…という方は比較的多いのではないでしょうか。
今や国民のおよそ十人に一人が経験するといわれる「うつ」。決して人ごとで済まされるものではないのです。
今は「うつ」と関係がないという方でも、一ヶ月か二ヶ月先に「うつ」にならない保証はありません。長い一生を考えますと、一度や二度「うつ」に近い状態を経験することはめずらしくなくなってきています。ましてご家族や身近な方が「うつ」になることは、誰もが経験すると言っても言い過ぎではないぐらいです。
ですから“自分は「うつ」とは関係がない”と思っているうちに「うつ」についての予備知識を持っておくことは、決して無駄ではないのです。
「うつ」は、病院での診断名としては「うつ病」とか「うつ状態」といった名称で呼ばれています。
ところで体の病気であっても心の病気であっても、具合の悪くなったことを表す名前を『病名』と呼ぶ場合が多いのですが、私はとくに心の状態に関しては『病名』という名称をできるだけ使わないようにしています。どうしても必要な場合には、『病名』ではなく「診断名」という言葉を使っています。
なぜならそのような状態は、必ずしも“病気”とは呼べないからです。“病気”というよりもむしろ、必要があったからこそもたらされた“状態”と言った方が実状に合っていると思います。
私たちが「病気」という言葉を用いる時、多くは「健康でない状態」という意味で用いる場合が多いと思います。それは言いかえると「正常でない状態」ということでしょう。
ところが「うつ」に関して言えば、それは「正常でない状態」ではなく、「正常だったからこそもたらされた状態」ということができます。
「うつ」は健康だった方が本当の健康をとりもどすための『警報』であり、「うつ」を経験する期間は再び健康に戻るための準備期間とも言えるのです。
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