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“噛めば噛むほど…” (あおばタイムズ 6)

 私は日ごろ、個々の方の生活習慣に対するアドバイスを重視しています。心療内科という科はそもそも、『心と体のはたらきは切り離して考えることができない』というところに端を発しているのです。
 たとえば、食事の時に「よく噛んで食べる」ことを指導したことで、過食や嘔吐の症状が落ち着いてきた方がいらっしゃいます。拒食や過食の症状はストレスに影響されますが、心理面からだけでなく、体の面から症状を軽減できる可能性があるわけです。
 きんさん・ぎんさんは、晩年は歯がなかったので噛むことが出来ず大好きな刺身を飲み込んで食べていたそうですが、若い頃はよく噛んで食べていたと考えられます。よく噛んで食べることは、自分の身を守り、健康に長生きをする秘訣なのです。
 ぜひ実際に試してみていただきたいのですが、食べている物を飲み込まず、がんばって五十回~百回ぐらい噛み続けてみてください。ほんとうに体によい食べ物は噛めば噛むほど美味しくなりますが、添加物や保存料を含んだ食品は、そのうちにまずくなってきてしまいます。しかもふだん体によい食べ物を摂っている人ほど、味覚のセンサーが敏感になるのです。このように、医学が進んだとはいっても、自然が作った生命のすばらしさには人間の想像を絶するものがあります。
 “からだの声に素直に耳を傾ける”こと-それが、幸せな生活を送るためにとても大切なことです。

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